清掃面のデメリットを理解した上でも、プロの外構プランナーが刷毛引きを強く推奨する現場が存在します。その最たる例が、道路から玄関や車庫への高低差を解消する駐車場スロープ滑り止めとしての用途です。
勾配がついた駐車場に金鏝仕上げを採用した場合、雨の日にはまるで濡れたタイルのように足元が滑り、成人男性であっても踏ん張りが利かなくなる危険があります。特に冬期に霜が降りたり、うっすらと雪が積もったりした際には、人身の転倒事故だけでなく、マイカーがABSを利かせながらスリップして道路へ滑り出すといった重大事故を招来しかねません。
歩行者が日常的に通るアプローチや勾配5%以上のスロープ部分において、刷毛引きの摩擦力は安全対策としての保険と言えます。「見た目の綺麗さ」だけを追い求めて全面を金鏝仕上げにしてしまい、雨の日の恐怖から後々になって滑り止めテープや後施工のスプレーを施すケースを考えれば、初めから要所へ適切な刷毛引きを配置することが合理的です。