保護者世代が小学生だった昭和・平成初期に比べ、現在の公立小学校では夏休みの期間が確実に短縮化しています。現場の取材と教育委員会の方針から見えてくるのは、以下の3つの明確な要因です。
第1の要因は、新学習指導要領に伴う授業時数の増加です。英語教育の教科化、プログラミング教育の導入、アクティブ・ラーニングの拡充など、小学校で教えるべきカリキュラムは過密化しています。平日の授業コマ数を詰め込みすぎると教員・児童双方の負担が限界に達するため、夏休みを数日削って授業日に充てる措置が取られています。
第2の要因は、普通教室の冷房化完了です。文部科学省の学校施設環境改善交付金などを活用し、全国の公立小中学校における普通教室のエアコン設置率はほぼ100%に達しました。「暑くて授業が成立しない」という物理的制約が解消されたことで、8月下旬から登校させることが制度上可能となりました。
第3の要因は、教員の働き方改革と行事の分散化です。従来は2学期に運動会や音楽会などの大型行事が集中し、教員の時間外労働が問題視されていました。学期初めを8月下旬に前倒しすることで、行事準備の過密日程を緩和し、児童の学習リズムを早期に取り戻す狙いがあります。