2019年4月の共学化移行時、学内や卒業生の間では大きな議論が巻き起こりました。半世紀以上にわたり「文教女子」として培われたブランドイメージを脱ぎ捨てる決断の裏には、地方私立大学が直面する構造的な課題が存在していました。
広島文教大学の共学化理由における最大の要因は、全国的な女子大ニーズの縮小と、地域が求める人材像の変化です。広島県をはじめとする中国地方では、小学校教員や保育士、管理栄養士、心理職において、性別を問わない優秀な現場リーダーの育成が強く求められていました。「女子教育の枠組みを維持すること」以上に、「地域社会の教育・福祉・健康を支える総合拠点となること」を選択した結果と言えます。
共学化から年数を重ねた現在、男子学生の在籍比率は全体の約3割から4割程度まで自然に増加し、特に教育学部や心理学科、グローバルコミュニケーション学科では男子学生の存在感が日常的なものとなっています。元女子大特有の「学生一人ひとりに対するきめ細やかな指導体制」をそのまま受け継ぎながら、多様な価値観が交錯する現代的な学び舎へと変貌を遂げました。