音無美紀子さんと村井國夫さんの出会いは、1975年放送のTBS系昼ドラマ『家庭の秘密』での共演がきっかけでした。当時、清純派ヒロインとして絶大な人気を誇っていた音無さんに対し、劇団青俳出身の実力派俳優として頭角を現していた村井さんは一目惚れに近い強い関心を抱いたと伝えられています。
交際に至るまでのアプローチは非常に情熱的でした。当時の対談手記やテレビインタビューによると、村井さんは撮影現場で積極的に声をかけ、電話番号を手に入れると毎日のように連絡を取り続けたといいます。当初、音無さんは村井さんの大人びた洗練された雰囲気に警戒心を抱いていたものの、見栄を張らず弱みも見せる率直な人柄と、底抜けの明るさに次第に心を許していきました。
交際開始からわずか1年足らずとなる1976年1月に二人は結婚を発表。結婚の決定打となったのは、音無さんの家族に対しても誠実に接し、深い包容力で彼女の仕事への情熱を全面的に支える姿勢を示したことでした。昭和の芸能界において、人気女優がキャリアの絶頂期に結婚を決断することは大きな挑戦でしたが、二人の決意は固く、ここに50年近く続くパートナーシップの幕が上がりました。