ワラビやゼンマイといった山菜を口にする際、木灰や重曹を使って一晩がかりでアクを抜く工程を思い浮かべる方が多いはずです。しかし、こごみはアク抜きを一切行わずに調理できるという決定的な特徴を持っています。
アク抜きが不要とされる理由は、植物自体の成分構成にあります。ワラビなどに多く含まれる発がん性物質(プタキロサイド)や、強い苦味・渋みの原因となるシュウ酸、アルカロイドといった成分が、こごみにはほとんど含まれていません。そのため、えぐみが極めて少なく、素材本来の爽やかな風味とほのかな甘みをそのまま味わうことができます。
一方で注意したいのが「生で食べられるのか」という点です。結論から言えば、こごみの生食は厳禁です。アクがないとはいえ、野生の山菜には土壌由来の微生物や寄生虫が付着しているリスクがあり、微量ながら天然由来の成分も含まれています。過去には加熱不十分な山菜による消化不良や食中毒症状の事例も報告されているため、必ず火を通してから食卓に並べる必要があります。
実際の下処理は非常にシンプルで、次の3ステップで完了します。
1. 流水で丁寧に水洗いし、渦巻きの内側に入り込んだ土やゴミを洗い流す
2. 茎や葉の表面についている茶色い薄皮(胞子の名残)を指先で優しくこすり落とす
3. 根元の変色した切り口を包丁で2〜3ミリ程度切り落とす
重曹をお湯に溶かすような面倒な手間は不要であり、水洗いと根元のトリミングだけで準備は完了します。