高校時代から圧倒的なスピードで頭角を現した彼女は、日本陸上競技選手権大会で3連覇を果たすなど、若くして女子ハードル界の頂点に君臨した。しかし、度重なる怪我と心身の疲弊から23歳という若さで一度は引退を決意する。その早すぎる幕引きを惜しむ声は多かった。
物語はそこで終わらなかった。6年間のブランクを経て2019年に陸上競技へ電撃復帰を果たすと、日本人選手として前人未到の領域へ足を踏み入れる。19年ぶりに女子100メートルハードルの日本記録を更新する12秒97を叩き出し、さらには12秒87へと自らの記録を塗り替えた。日本陸上競技連盟の歴史においても、これほど劇的なカムバックと進化を同時に成し遂げた例は極めて稀である。