発掘調査の進展とデジタル技術の融合により、現地の様相は大きく変わりつつある。歴史観光・文化ツーリズム産業の現場では、急峻な山道を歩きながら往時の戦闘配置をスマートフォン上でAR再現できるガイドツールの導入が進む。訪問者はただ風景を眺めるだけでなく、包囲された城兵の視点と包囲した徳川軍の視点の双方を擬似体験できるようになった。
掛川市周辺の地域振興策とも連動し、山城トレッキングを目的に訪れる歴女やインバウンド観光客の数は右肩上がりで推移している。厳しい自然地形を活かした山城を肌で体感することは、書物だけでは理解できない戦国武将たちの空間認識や軍事思想を学ぶ貴重なフィールドワークとなっている。