年間を通じて最大の集客ピークを記録するのが、例年11月中旬から12月25日にかけて開催される「神戸布引ハーブ園クリスマスマーケット」です。古城の広場全体が本場ドイツのクリスマスマーケットを忠実に再現した温もりあるイルミネーションに包まれます。
高さ約25メートルの生木(メタセコイア)に無数のイルミネーションが灯るクリスマスツリーや、職人手作りのドイツ製オーナメント、くるみ割り人形が並ぶヒュッテ(木造山小屋)の佇まいは圧巻です。シナモンとクローブが豊かに香る本格的なグリューワイン(ホットワイン)や焼きソーセージを片手に過ごす夜は、関西屈指のロマンチックなフェスティバルとして定着しています。
ただし、現地取材データが示す注意点として、12月中旬以降の週末18時〜20時は下りロープウェイの待機時間が40分〜60分に達する猛烈な混雑が発生します。標高400メートルの山頂は市街地より気温が4〜5度低く、吹き下ろす六甲おろしの冷気は想像を絶します。マフラーや厚手のダウンジャケット、カイロなどの完全防寒対策を怠ると、下山待ちの列で過酷な時間を強いられることになります。
一方、観光地として見落とされがちなのが「雨の日」のポテンシャルです。雨天時の布引ハーブ園は、屋外ガーデンの歩行こそ傘が必要になるものの、メイン拠点のひとつである「グラスハウス(大型温室)」に避難すれば、雨露に濡れることなく充実した時間を過ごせます。
温室内には熱帯性のスパイス植物や珍しいハーブが生い茂り、雨の日ならではの濃密な植物の香気が充満します。さらに、神戸の街を見渡せる屋根付きテラスの「ハーブの足湯」は雨天でも営業しており、雨に煙る幻想的な港町のシルエットを眺めながら温かいハーブ湯に足を浸す体験は、晴天時とは異なる深い癒やしをもたらします。アロマサシェ(香り袋)やルームスプレーを自作できる体験クラフト工房も屋内施設で常時開催されているため、悪天候だからといって旅程から即座に除外する必要はありません。