あきたこまちと美人の深層|米袋の謎から秋田美人伝説のルーツまで

あきたこまちと美人の深層|米袋の謎から秋田美人伝説のルーツまで

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伝統的な美人画の系譜を受け継いできたあきたこまちのイメージに、極めて大きな地殻変動が起きたのは2008年秋のことです。秋田県南西部に位置する羽後町の農業協同組合「JAうご」が打ち出した施策が、全国を巻き込む旋風を巻き起こしました。 企画の中心となったのは、人気ゲームのキャラクターデザインなどを手掛ける人気イラストレーター・西又葵氏の起用でした。西又氏の手によって描かれたのは、市女笠を被りながらも大きな瞳と可憐な表情を持つ、現代アニメ調の「美少女キャラクター版・小野小町」でした。 このパッケージを採用した特別栽培米「あきたこまち」が発売されるや否や、JAうごの公式サーバーはアクセス集中によりダウン。発売初月だけで前年同期間の数十倍に達する注文が殺到し、準備していた在庫があっという間に完売する事態となりました。 「最初は『神聖な米袋にアニメ絵などけしからん』という保守層からの懸念の声もゼロではありませんでした。しかし、実際に箱を開けてみれば、注文者の多くが米そのものの美味しさに感動し、極めて高いリピート率を記録したのです。結果として、羽後町の認知度を全国区へ押し上げる決定打となりました」(当時のプロジェクトを追った農業経済関係者の証言) この取り組みは単なる一過性の奇策にとどまらず、農産物と現代ポップカルチャーを融合させた「萌えおこし」の原点として、日本各地の地域振興プロジェクトにおける重要な転換点となりました。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。