SNSや職場のコミュニティでは、粗品のワードセンスを日常の会話に取り入れようとする試みが多数見られます。しかし、現場の生の声を取材すると、そこには「大爆笑を生むケース」と「一瞬で空気が凍りつくケース」の残酷なコントラストが存在します。
成功例として報告されるのは、主に「体言止めツッコミ」のテンポ感を拝借したケースです。同僚が机の上を散らかしているのを見て「ゴミ屋敷!」と短く指摘したり、遅刻してきた友人に「重役出勤!」と手のポーズ付きでツッコんだりする場合、くどくどと小言を言うよりも場が和み、スマートな指摘として受け入れられています。
一方で、失敗例の代表格は、前述の「誰が好きなん?」「細客」といった攻撃的フレーズを文脈なしに引用してしまうパターンです。あるIT企業勤務の男性(28歳)の手記によると、「飲み会で後輩の失敗談に対して粗品風に強めの毒舌を放ったところ、周囲が本気で引いてしまい、翌週から後輩に距離を置かれた」という苦い告白が寄せられています。芸人のカリスマ性と信頼関係があって初めて成立する劇薬のワードを、日常のフラットな人間関係へ無防備に持ち込む危険性を物語っています。