多くの高校野球ファンが抱く最大の疑問は、「なぜあれほど強かった酒田南が、2012年夏以降甲子園から遠ざかっているのか」という点です。
この問いに対する真相は、山形県内の勢力図の激変と、全国的なリクルーティング環境の変化にあります。
かつて山形県内では、酒田南と日大山形が二強として君臨する時代が続きました。しかし2010年代以降、同じ庄内地区のライバルである鶴岡東高校が着実に力をつけ、甲子園常連校へと成長。さらに山形中央高校や羽黒高校、東海大山形高校なども台頭し、山形県予選は全国屈指の「どこが勝ってもおかしくない混戦ブロック」へと変貌しました。
酒田南自身も毎年のように県ベスト8やベスト4、時には決勝進出を果たしており、実力が急落したわけではありません。事実、春や秋の東北大会出場権を獲得するシーズンも複数回記録しています。しかし、かつてのように「山形大会を力でねじ伏せる」ほどの戦力差を作り出すことが難しくなり、紙一重の勝負で涙を呑むケースが続いています。