高額な修理代に絶望する前に、自宅の火災保険証券を必ず確認してください。「火災保険は家が火事になった時や台風被害でしか使えない」と思い込んでいる人が多いですが、これは重大な誤解です。現代の火災保険(住宅総合保険)において、最も支払い件数が多い項目の一つが「不測かつ突発的な事故(破損・汚損)」特約です。
例えば、次のような状況でテレビを壊してしまった場合、家財保険の破損・汚損特約が適用される可能性が極めて高くなります。
- 「リビングで遊んでいた子どもがおもちゃやコントローラーを投げて画面に直撃した」
- 「部屋の模様替え中にテレビを移動させようとして手を滑らせ、角にぶつけて液晶が割れた」
- 「掃除機をかけている最中にコードを引っ掛けてテレビを転倒させてしまった」
火災保険の契約時に家財補償を付帯しており、かつ破損・汚損が補償対象に含まれていれば、損害額から免責金額(契約時に設定した自己負担額:3,000円、1万円、3万円など)を差し引いた金額が保険金として指定口座に振り込まれます。免責金額が1万円の場合、修理見積もりが12万円であれば、11万円が補填されるため、実質的な持ち出しを極限まで抑えることが可能です。
一方、同居の家族ではなく「友人の家に遊びに行った際、友人のテレビを誤って壊してしまった」という場合には、火災保険の家財補償ではなく、自動車保険や火災保険、クレジットカード等に付帯している「個人賠償責任保険(特約)」が発動します。こちらは他人の財物を壊した法律上の損害賠償責任をカバーするものであり、免責金額が0円に設定されているケースも多く、実質全額が保険会社から支払われます。