東京大学名誉教授であり代謝・糖尿病研究の世界的権威である門脇孝氏らの研究チームは、脂肪組織から分泌されるアディポネクチンの受容体や、インスリン受容体の分子メカニズムを長年にわたり解明してきた。かつてNHKスペシャル『人体 神秘の巨大ネットワーク』でも特集されたように、脂肪組織は単なるエネルギーのゴミ箱ではなく、全身の臓器と絶え間なくメッセージをやり取りする巨大な内分泌器官である。
停滞期に陥った体は、各臓器間の情報伝達がノイズにまみれた状態にある。無理な絶食でシグナルを遮断するのではなく、細胞間コミュニケーションを正常化させることこそが、長期的かつ確実な体組成の改善につながるという視点は、現代医学のコンセンサスとなりつつある。