インターネット上で「博多高校」を検索すると、過去の出来事に関するトピックがサジェストされることがあります。これは2017年秋、授業中に教員の指導に対して生徒が暴行を加えた様子を撮影した動画がSNS上に拡散され、全国的な報道へと発展した騒動に端を発しています。受験を控える家庭の中には、「現在の校風はどうなのか」「荒れているのではないか」という懸念を抱く方がいるのも無理はありません。
しかし、当時の報道各社の記録や学校法人の公表資料、その後の第三者検証を振り返ると、同校はこの痛烈な事態を契機として、学校運営と生徒指導の仕組みを抜本的に再構築しました。事件直後から教育委員会や外部の専門家を交えた対策委員会を立ち上げ、以下のような改革が迅速に断行されました。
- 生徒指導体制の全面見直し:教員1人の責任に委ねる密室的な指導を廃止し、学年主任や生徒指導部、スクールカウンセラーがチームで事案に対応する複数指導体制を確立。
- メンタルヘルス・教育相談の充実:常勤・非常勤のスクールカウンセラーおよびソーシャルワーカーを増員し、生徒の情緒的な課題や家庭環境の悩みに早期介入できる相談窓口を設置。
- ICT機器・スマートフォンの利用ガイドライン策定:後述するスマートフォンの持ち込みルールの明確化と、情報モラル教育の必修化。
- 教職員研修の高度化:生徒との適切な信頼関係構築法、アンガーマネジメント、危機管理対応に関する外部研修を定期的に実施。
これらの再発防止策が積み重ねられた結果、現在の博多高校のキャンパスは落ち着きを取り戻し、むしろ福岡県内の私立高校の中でも規律正しさと生活態度の指導が行き届いた学校として再評価されています。近年のオープンスクールを訪れた保護者からは、「校内で生徒たちが元気よく礼儀正しい挨拶をしてくれた」「明るく清潔感があり、事前のネットの印象とは全く違っていた」という声が多数寄せられており、過去の課題を乗り越えて健全な教育風土が定着していることがうかがえます。