館内に入ると、まず目を奪われるのがフロアをダイナミックに使った数々の体験装置だ。なかでも子どもたちが列をなして夢中になっているのが、「くるくるサーキット体験展示」をはじめとする運動力学エリアである。ボールの軌道や自らのペダルを漕ぐ力、滑車とロープの抵抗。教科書に並ぶ数式では退屈に思える物理法則が、ここでは自らの筋肉と視覚を通じて直感的に飛び込んでくる。
「光」「音」「力」といった普遍的なテーマが、全身を使ったアトラクションに見事に昇華されている。暗闇のなかで自分の影が壁に焼き付く瞬間、あるいは巨大な空気砲から放たれるドーナツ状の煙の渦。子どもたちの瞳は驚きに輝き、それを見守る保護者も思わず童心に返って試行錯誤を繰り返す。これぞまさに、体験型科学館の醍醐味といえる光景だ。