扉を開けた瞬間に漂う、深みのある香りが舌を刺激する。今回私たちが現場を歩き倒して突き止めたのは、大通りの喧騒から一歩入った路地に佇む隠れ家的な店々だ。洗練されたカウンター越しにシェフの手元を眺める時間は、料理への期待感を極限まで高めてくれる。
王道の洋食を求めるなら、職人が代々引き継いできたデミグラスソースを味わえる小規模なビストロを見逃せない。数日間かけて煮込まれたソースは、濃厚でありながら後味にどこか甘やかな余韻を残す。ハンバーグにナイフを入れた瞬間にあふれ出る肉汁の光景は、まさに圧巻の一言だ。
一方、神戸を訪れたからには一度は体験したいのが最高級の神戸牛だ。有名店は数多く存在するが、本当に納得のいく肉を味わいたいなら、地元の精肉店と太いパイプを持つ鉄板焼きの穴場を狙うのが賢明だ。きめ細やかなサシが入ったお肉が鉄板の上でジューシーな音を立てる。噛みしめた瞬間に広がる脂の旨味と香ばしさは、午後の活力をチャージする至高のごちそうとなる。