『Dr.コトー診療所』で見せた漁師・原剛利役、あるいは『監察医 朝顔』での主人公の父親・万木平役。近年の彼が演じる父親像には、観客の胸を深く打つ強い説得力がある。
そこにあるのは、過剰な感情表現ではない。背中で語る静かな優しさ、言葉にならない葛藤、家族をそっと包み込む眼差しだ。セリフの行間にある余白を丁寧に埋める演技力は、長年の経験だけで培われるものではない。人間そのものに対する深い洞察と愛着が根底にあるからこそ、視聴者は彼の演じるキャラクターに自分自身の家族や人生を重ね合わせ、思わず涙を流してしまうのだ。