時を経て、この二人の縁は思わぬ形で次世代の音楽産業へと引き継がれることになる。宅見勝の血脈を引く音楽プロデューサー・作編曲家の宅見将典(MASA TAKUMI)の存在だ。彼は自らのルーツを誇示することなく、純粋な音楽的才能と弛まぬ努力によって日本国内外で実績を積み重ねてきた。
特筆すべきは、宅見将典が晩年の西城秀樹の楽曲制作やアレンジにも携わっていた事実である。さらに彼は2023年、第65回グラミー賞で最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞を受賞するという快挙を成し遂げた。昭和の裏社会を揺るがした人物の血を引く若者が、昭和を代表するスターの音楽を支え、最終的には世界の音楽界の頂点に立ったという事実は、日本の音楽史における奇跡的な巡り合わせと言わざるを得ない。