「自分の中にある綺麗な部分だけを見せようとしていた時期は、何も心に響かなかった」
彼女はかつて、インタビューでそう漏らしたことがある。一見すると順風満帆に見えた過去のキャリア。しかし本人は常に、自らの表現に対して深い葛藤を抱えていたという。
転機となったのは、数百名が参加した今回の主演作オーディションだ。監督を務めた著名フィルムメーカーは、彼女がカメラの前で見せた“剥き出しの瞬間”を今でも鮮明に記憶している。綺麗に見せる選択肢を完全に捨て去り、役に没入する狂気すら感じさせる佇まい。それが制作陣の心を一気に掴み取った。