野島伸司が描く物語は、単なるホームドラマの枠に収まらない。両親を亡くした柏木家の6人兄弟が、過酷な現実に打ちのめされながらも傷を舐め合い、肩を寄せて生きていく人間模様をリアルかつ繊細に描き出した。泥臭く、時に痛々しいほどの人間臭さが溢れる展開において、哀愁を帯びたアコースティックギターの音色と財津和夫の透き通るような歌声は、視聴者の心を優しく包み込む「救い」の役割を果たした。
「ほんの小さな出来事に 愛は傷ついて」という歌い出しは、兄弟同士の衝突やすれ違い、そして許し合う瞬間と完璧に合致する。ドラマの厳しい展開で締めくくられるエピソードの後、エンディングでこのイントロが流れると、視聴者は救われたような安らぎを覚えた。劇中の感情曲線と楽曲のコード進行が緻密に同期していたからこそ、名曲としての印象が人々の記憶に深く刻み込まれたのだ。