蒼崎橙子と蒼崎青子の関係性を語る上で避けて通れないのが、実の姉妹でありながら互いに命を奪い合うまでに激化した「蒼崎家の後継者争い」です。
橙子は幼少時から極めて高い魔術回路と才能を持ち、祖父から蒼崎家の正統後継者として英才教育を施されていました。彼女自身も家業を継ぎ、「根源の渦」へと至る第五魔法の扉を開くためにあらゆる努力を重ね、自らの青春をすべて魔術に捧げていたのです。一方の妹・青子は魔術の修行を一切させられず、普通の一般人として気ままな中等部時代を過ごしていました。
しかし、橙子が18歳を迎えたある日、祖父は唐突に「後継者は妹の青子にする」と宣言。この理不尽極まりない決定がすべての破滅の引き金となりました。
人生の全否定とも言える仕打ちを受けた橙子は激怒し、祖父を殺害(あるいは決別)して出奔。数年後、ルーン魔術と自作の人形、そして怪異を携えて三咲町へと襲来し、高校生になったばかりの新米魔法使い・青子と市街地を巻き込む死闘を繰り広げることになります。
この戦いにおいて橙子は青子に敗北し、さらに青子から「三咲町に立ち入ればカエルになる」「自分の前で赤髪・赤色を自称すれば殺す」という強力な呪いと屈辱的な制約を課されました。これ以降、彼女の口から赤色を侮蔑する「傷んだ赤色(スカーレット・レッド)」という言葉を発することは最大の地雷となり、これを口にした魔術師は容赦なく惨殺されることになります。