聖徳太子の本名はなぜ厩戸皇子?教科書から消えた理由と実在説の真相

聖徳太子の本名はなぜ厩戸皇子?教科書から消えた理由と実在説の真相

聖徳太子の本名はなぜ厩戸皇子?教科書から消えた理由と実在説の真相についての真相をご紹介します。

歴史上の人物が「偉人」へと仕立て上げられていくプロセスには、社会心理学におけるカリスマ待望論やナショナル・アイデンティティの形成欲求が深く関わっています。奈良時代の人々には「中国に対抗できる文明国家の創始者」が必要であり、近代の日本には「和の精神を体現する道徳的指導者」が必要でした。それぞれの時代が自らの社会を統合するために、聖徳太子という器に理想のリーダー像を注ぎ込んできたのです。

現代における「脱神話化(神話を解体し、等身大の人間像を取り戻す作業)」は、歴史を否定する行為ではありません。むしろ、神格化のヴェールを剥ぎ取ることによって、激しい氏族間の権力闘争や緊迫した国際情勢のなかで、懸命に国造りを模索した「生身の政治家・厩戸王」の苦悩と真の凄みが浮き彫りになってきます。

【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準

  • 歴史の学び直しを心から楽しめる人(向いている人): 固定観念に縛られず、「なぜ昔の教科書と現在の表記が違うのか」という時代の文脈や史料批判の面白さに知的好奇心を感じられる人。複眼的な視点で事実を受け入れられる読者にとって、近年の古代史研究は最高にスリリングな知的好奇心の源泉となります。
  • 情報に接する際に慎重になるべき人(注意が必要なスタンス): 「昔教わったことが絶対である」と教条主義的に信じ込みたい人や、「教科書が変わったのは陰謀だ」「聖徳太子は完全に嘘っぱちだった」といった白黒思考のネットスラング・陰謀論に飛びつきやすい人。極端な言説に惑わされず、一次史料と学術的コンセンサスを確認する姿勢が求められます。
山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。