結論から申し上げますと、関西や首都圏をはじめ全国のジャズシーンで活躍するトランペット奏者の中村好江氏は、歌舞伎界の役者や梨園の家系図とは直接の血縁関係を持っていません。それにもかかわらず、中村好江と歌舞伎の関係がこれほどまでに騒がれる背景には、歌舞伎の歴史に深く刻まれた別の重要人物の存在があります。
その人物こそが、故・十八代目中村勘三郎丈の妻である波野好江(なみの よしえ)さんです。波野好江さんは結婚前、歌舞伎の名門・成駒屋を率いた人間国宝の七代目中村芝翫丈の次女として育ちました。つまり、彼女の結婚前の旧姓がまさに「中村好江」だったのです。
歌舞伎ファンやメディアが中村屋のドキュメンタリー番組や特番で「好江さん」の存在に触れる際、旧姓である中村好江という名前で検索するケースが長年積み重なってきました。その結果、同姓同名の実力派ミュージシャンであるトランペット奏者の中村好江氏のプロフィール情報と検索エンジン上で交差し、「中村好江は歌舞伎一家の出身なのではないか」という誤解が定着してしまったのが中村好江の噂の真相です。