ヤマモモは単なる季節の風物詩にとどまらず、優れた栄養機能性成分を豊富に含む機能性果実としても注目されています。
特筆すべきは、その深紅の果皮に豊富に含まれるアントシアニン系ポリフェノール(主にシアニジン-3-グルコシド)です。強力な抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を除去することで、細胞の老化防止(アンチエイジング)や血管の健康維持、眼精疲労の軽減に寄与します。
また、ヤマモモ特有の爽快な酸味の主成分は、クエン酸やリンゴ酸をはじめとする有機酸群です。これらの有機酸は、体内のエネルギー産生経路であるクエン酸回路を活性化させ、乳酸の分解を促進するため、初夏の暑さによる夏バテ予防や肉体疲労回復に抜群の効果を発揮します。
さらに、ヤマモモの樹皮は古来より「楊梅皮(ようばいひ)」という名で日本薬局方にも収載されている伝統的な生薬です。フラボノイドの一種であるミリセチンやタンニンを多量に含み、強い収斂作用、抗炎症作用、抗菌作用を有しています。果実そのものにもこれらのフラボノイド類が微量に含まれており、近年の食品科学研究においても生活習慣病予防や抗アレルギー機能の観点から継続的な調査が行われています。