ポップアイコンが火をつけたカルチャーを、ハイエンドなモードへと昇格させたのがバレンシアガだ。既存の価値観を常に疑い、日常の工業製品をラグジュアリーへと転化させる同ブランドの手腕は、ゴム素材のアクセサリーにおいても鮮烈に発揮された。
これまでのファッション業界において、ジュエリー・アクセサリーの領域は貴金属や天然石の独壇場だった。しかし、ストリートファッションのコードがラグジュアリーの文脈を侵食し尽くした今、バレンシアガが提示した重厚なロゴ入りバンドは、権威主義的な高級品へのアイロニーとして熱狂的に迎え入れられた。ランウェイでモデルたちが纏ったのは、高価なジュエリーではなく、工業用ラバーを極限まで精緻に成形したアイテム。チープとラグジュアリーの境界線をあざ笑うかのようなアプローチが、次世代のコレクターたちを完全に魅了した。