「気持ち悪い」と指摘されるもう一つの象徴的な要素が、主要キャラクターの1人である真山巧の恋愛描写です。真山が年上の未亡人・原田理花に向ける執着は、一般的な純愛の枠を完全に踏み越えていました。
作中で描かれる真山の行動を客観的に見返すと、夜間の尾行、自宅の監視、捨てられたゴミ袋の確認など、明白なストーキング行為に該当する描写が散見されます。連載当時は「それほどまでに一途な片想い」としてドラマチックに演出されていましたが、コンプライアンスや人権意識が成熟した視点で見直すと、恐怖や嫌悪感を覚える読者が増えるのは自然な流れと言えます。
加えて、真山に一途な想いを寄せる山田あゆみに対する態度も批判の的となりました。山田の気持ちを知りながら中途半端に優しく接し、完全に突き放すことも受け入れることもしない態度は「思わせぶりで残酷」「都合のいい女扱い」と映り、女性読者を中心に強い反発を招く要因となりました。