ギターを握って間もないプレイヤーの手を痛めつけるバレーコード(セーハ)。6本の弦すべてを均一な力でフレットに密着させるこの技術は、手の骨格や指の長さ、関節の柔軟性に大きく左右される。特に1フレットというナット直近のポジションは弦の張力が最も強く、力尽くでねじ伏せようとすれば手首や腱を痛めるリスクすら伴う。
ここで多くの学習者が陥る誤謬がある。「Fが鳴らない自分はギターの才能がない」という自己否定だ。しかし、それはまったくの筋違いである。Fは単なる音の集合体に過ぎない。重要なのは「ファ・ラ・ド」という構成音が美しくアンサンブルや楽曲に溶け込んでいることであり、指の力比べで勝利することではないのだ。