滋賀県米原市。新幹線が滑り込む駅の喧騒から車で十数分走ると、緑深い山あいに「ローザンベリー多和田」のイングリッシュガーデンが現れる。四季折々の宿根草が咲き乱れる広大な庭園の最奥部に開かれたのが、「ひつじのショーン ファームガーデン」だ。
名門アードマン・アニメーションズの監修によって造り上げられたこの場所は、イギリス・ブリストルのスタジオにあるセットをそのまま実物大のスケールで再現した。牧場主の家、ショーンや仲間たちが夜な夜な悪巧みをする納屋。建物の外壁のひび割れや、ペンキの剥げ具合、風雨にさらされた木材の質感に至るまで、徹底したこだわりが貫かれている。
『ひつじのショーン』といえば、NHK Eテレの放送で子どもの心をつかみ、現在はNetflixなどを通じて世界中の大人たちを魅了し続けている。だが、画面の中の愛らしいドタバタ劇を支えているのは、極めて硬派なクラフトマンシップだ。現地の納屋に足を踏み入れると、作業台に無造作に置かれた工具や毛糸玉のひとつひとつに、生活の気配が色濃く宿っている。