実写分野が混迷を深める一方で、世界から賞賛を浴び続けるアニメーション制作の現場もまた、激動の変革期にある。スタジオジブリが築き上げた圧倒的な職人芸の系譜と、MAPPAに代表されるハイエンドで爆発力のあるデジタル技術の融合。これらが世界的なヒットを連発するなかで、実写映画もまた同等以上のクオリティと熱量を要求されるようになった。
「アニメで表現できる領域を、なぜ実写で超えられないのか」という出資陣からの執拗なプレッシャーは、監督をはじめとする実写スタッフの精神を極限まで追い詰めた。ジャンルの垣根を越えたクリエイティブの比較が、現場に想定以上の負荷を強いる結果となったのである。