近年、YouTubeなどの動画プラットフォームでは「誰でもできるDIYエアコンガス補充」といった解説コンテンツが多数投稿されている。市販のチャージホースと缶入り冷媒を使えば数千円で直せるように見えるが、現場の自動車整備士からは警鐘を鳴らす声が絶えない。
エアコン冷媒は「多すぎても少なすぎても冷えない」という極めて繊細な特性を持つ。専用のゲージマニホールドを使わずに過充填(入れすぎ)を行えば、液冷媒がコンプレッサーを直撃してバルブを破損させる「液圧縮」を引き起こし、一瞬でコンプレッサーを完全破壊してしまうリスクがある。さらに配管内に微量の水分や大気が混入すれば内部腐食が急速に進行するため、真空引きやガス圧管理はプロの機材に委ねるのが最も安全で経済的だ。