開発の主角であるゲームフリークのネーミング手法は、世代を重ねるごとに抽象度と文学性を増してきた。初期の原色指定から、鉱物、気象、そして人間の内面的な美徳へとシフトしている点が興味深い。
たとえば『ルビー・サファイア』のユウキとハルカ以降、開発陣は「空」「光」「響き」といった、目に見えない自然の気配を好んで名前に織り込んできた。形而下的な物質名から形而上学的な広がりへの転換だ。
オープンワールドを採用したパルデア地方の主人公、ハルトとアオイも例外ではない。「遥かな空(ハルト)」と「深き海・植物の芽吹き(アオイ)」。360度どこまでも広がる地平線を前にしたとき、このネーミングが単なる記号ではなく、ゲームの設計思想そのものを語っていることに気づかされる。