SNSや健康系コミュニティ、大手掲示板などをリサーチすると、称賛の声と同時に「期待したほど痩せない」「腰が痛くて続けられない」という落胆の声が多数寄せられています。こうした不満が生じる背景には、運動力学的なエラーと代謝の仕組みに対する大きな誤解があります。
多くの脱落者が直面している「腰痛悪化」の主原因は、過度な反り腰(骨盤の前傾過多)です。美木氏が実演するダイナミックなフォームを真似ようとするあまり、息を吐きながら背中を反らせ、お尻を強く締めようとして腰椎を前方に押し出してしまう人が少なくありません。体幹の深層筋(腹横筋や多裂筋)が未発達な初心者がこの動きを行うと、腹圧で腰を支えきれず、腰椎の椎間関節同士が激しく衝突します。その結果、椎間関節性腰痛やすべり症に似た急性痛を自ら引き起こしてしまうのです。
また「痩せない」という評判の真相は、消費カロリーに対する非現実的な期待値に起因します。呼吸運動そのもので消費されるエネルギーは、数分間の実施でわずか10〜20kcal程度に過ぎません。基礎代謝が劇的に向上して何もしなくても体重が落ちるわけではなく、食事管理や日常的な活動量の底上げを伴わなければ、目に見える体重減少は望めません。「息を吐くだけで痩せる」というキャッチコピーの表層だけを鵜呑みにしたユーザーが、期待とのギャップに直面する構造が浮き彫りになっています。