日本のレトルト史を語る上で絶対に外せないのが、1968年に世界初の市販用レトルトカレーとして登場した大塚食品のボンカレーだ。甘口・中辛・辛口という定番のラインナップを守りつつも、時代とともにスパイスの配合や具材のカット方法が見直され、現代の消費者の舌に合わせたマイナーチェンジが繰り返されている。そのブレない安心感とノスタルジーは、今なお多大な支持を得ている。
一方で、本格的な欧風カレーのコクを手軽に楽しみたい層から圧倒的な信頼を寄せられているのが、ハウス食品の銀座カリーシリーズだ。特製二段仕込みブイヨンの深みと、ドミグラスソースを思わせる重厚な味わいは、昭和初期の銀座モダニズムを彷彿とさせる。サクサクのトーストと一緒に食べても負けない強い旨味は、ロングセラーたる所以と言える。