暴力団対策法の進化と社会規範の激変は、ジャーナリズム・報道の現場にも前例のない変革を迫っている。かつてのように組事務所へ直接出入りし、幹部と膝を突き合わせて取材を行う手法は、コンプライアンスの観点からも物理的にもほぼ不可能となった。一次情報へのアクセスが極端に制限されるなかで、憶測や誇張された噂がネット空間を飛び交う危険性が増している。
限られた状況下で正確なファクトを炙り出すには、法廷記録の緻密な分析や、離脱者・法執行機関関係者への地道な取材を積み重ねるほかない。閉ざされた扉の奥で何が決定され、それが一般社会の安全にどう波及するのか。闇を神聖視することなく、冷徹な客観性をもって社会の歪みを記録し続けることが、いま報道機関に強く求められている。