あの一風変わったポーズは、最初から完璧に作り込まれたギャグとして誕生したわけではない。始まりは、コントの最中に見せた「相手を牽制する咄嗟の威嚇動作」だった。怒りを表現する歌舞伎の見得(みえ)や、時代劇での武士の構えを志村流にディフォルメした動きが原形だ。
共演者の突拍子もないボケに対して、言葉ではなく身体一つで「なんだと?」と返す。その際に発生した独特のダミ声とあごを突き出す姿勢が、現場のスタッフや観客の大爆笑をさらった。志村本人は当初、単なるリアクションの一つと捉えていたが、繰り返すうちにポーズとしてのキレが洗練され、やがて独立したトレードマークへと昇華していった。