藤間流の歴史を紐解く上で外せないのが、江戸歌舞伎との密接な関係性だ。元禄時代に始祖・藤間勘兵衛が振付師として名を馳せて以来、劇場の熱気とともにその舞は進化を遂げてきた。大きく分けて「勘十郎派」と「蘭黄派(勘右衛門派)」などに代表される系統が存在し、それぞれが独自の美学を追求し続けている。
豪快かつドラマチックな曲調に合わせて劇的なストーリーを紡ぐ舞もあれば、一見すると無駄を一切そぎ落としたシンプルな素踊り(衣装や道具を最小限に抑えた舞)もある。演者の呼吸ひとつで舞台上の空気が一変する緊張感こそが、他の舞踊文化にはない独特の存在感を放つ理由だ。