奈落の底を味わった宮脇健は、いかにして再び顔を上げることができたのか。転機となったのは、自身の恥部や失敗を一切隠さず、赤裸々にさらけ出す覚悟を決めたことだった。出版した自叙伝『ヘタレ』では、子役時代の天狗ぶりから借金地獄、女性問題に至るまでを赤裸々に告白し、大きな反響を呼んだ。
気取らない「しくじり人生の語り部」としてバラエティ番組に出演すると、泥臭くも人間味あふれる語り口が視聴者の共感を呼んだ。失敗を隠すのではなく、失敗したからこそ語れる人生の教訓。その飾らない姿が、彼に新たな居場所を与えたのだ。
現在の宮脇健は、舞台出演やイベント、トークショー、インディペンデント映画への参加など、規模の大小にとらわれず表現活動を精力的に続けている。近年ではシニア世代に向けた健康や生きがいをテーマとする講演会にも登壇し、自らの波乱万丈な経験をもとに「人生は何歳からでもやり直せる」というメッセージを発信し続けている。往年の鋭いプレッシャーから解放され、等身大の自分を楽しむその表情は実に晴れやかだ。