全国に数ある神社仏閣・神道の名所の中でも、ここは異彩を放つ。別格の存在感を誇る陸奥国一宮だ。
祀られている神々は三柱。主祭神は鹽土老翁神(しおつちのおじのかみ)。潮の満ち引きや塩造りの技術を人々に伝えたとされる、航海と導きの神様だ。その脇を固めるのが、武神として名高い武甕槌神と経津主神である。興味深いのは配置だ。主祭神の鹽土老翁神が「別宮」に鎮座し、武神ふたりが「本宮(左右宮)」に祀られている。初めて訪れる参拝者が驚く不思議な社殿構造は、古くからの由緒を物語る。
仙台藩の礎を築いた伊達政宗もまた、この社に深く思いを寄せていた。戦国を駆け抜けた政宗は、海運の要衝を見下ろすこの地に格別の敬意を払い、社の保護と社殿の整備に力を注いだ。歴代の藩主たちに継承されたその崇敬の念が、今日の格調高い佇まいを形作っている。