建造物としての価値も見逃せない。本堂の屋根を支える複雑な組物や、欄間に施された精緻な天女の透かし彫りは、江戸初期の宮大工が持てる技のすべてを注ぎ込んだものだ。現在、文化庁による学術調査が進められており、地域の貴重な伝統文化遺産として再評価の機運が高まっている。
文化財修復の専門家は、「単なる古建築ではなく、近世における木造建築技術の変遷を辿るミッシングリンクがここにある」と語る。傷んだ木組みを一つひとつ手作業で補修する職人たちの姿は、まるで時間そのものを修復しているかのようだ。深い洞察に満ちた歴史ドキュメンタリーのカメラが捉えるにふさわしい、濃密なドラマがこの場所には眠っている。