時計の針を1993年に戻そう。皇太子殿下(現天皇陛下)と雅子さまのご成婚パレード。あの記念すべき日に雅子さまがお召しになった、花びらをかたどった襟元が印象的なローブデコルテ。それをデザインした人物こそが、日本が世界に誇るデザイナー・森英恵だった。
あの純白のドレスに込められた、新しい時代を切り拓く女性へのエール。その精神は、いま確実に愛子さまへと息づいている。皇室のドレスメイキングにおける詳細まとめを紐解くと、日本の伝統的な絹織物と西洋の立体裁断を見事に融合させた英恵氏の技術が、現在の愛子さまのフォーマルウェアの基礎を形作っていることがよくわかる。派手な装飾に頼らずとも際立つ気品。それこそが、この系譜の真骨頂である。