なぜ人々は、自分に直接被害のない出来事に対して執拗なカスタマーハラスメントを繰り返すのか。心理学者や精神科医が指摘するのは、脳内で分泌されるドーパミンによる「正義中毒」の状態だ。「悪を懲らしめている自分は正しい」という全能感が、理性的なブレーキを容易に破壊する。
しかし、その快楽の代償は極めて重い。開示請求によって身元が露見し、会社を解雇された者、家族に知られて人生を狂わせた者、数百万単位の賠償金を背負った者の告白が相次ぐ。液晶画面の熱狂から覚めたとき、加害者の手元に残るのは破滅した現実だけだ。