コレクターやプレイヤーを虜にしてやまないポケモンカードゲームのイラスト群には、第一線で活躍する神絵師たちの技術が凝縮されている。なかでも、さいとうなおき氏をはじめとするトップイラストレーターが手掛けるカードアートは、カードという小さな長方形の枠組みを完全に破壊するほどのスケール感を放つ。
彼らが駆使する技法の一つが、極端なパースを用いた「3点透視構図」と「逆光ライティング」の組み合わせだ。技を繰り出す拳や爪を極限まで手前に巨大化させ、広角レンズで煽るように捉える。さらに背後から強いリムライト(輪郭光)を当てることで、主役のシルエットをくっきりと浮き上がらせるのだ。視界を遮るエフェクトの破片を前後に散らす「被写界深度(ボケ表現)」を加えることで、鑑賞者は一瞬にしてモンスターの攻撃範囲に引きずり込まれる。