インターネット上の掲示板やSNSでは、「蛇口を開けっ放しにしておくと水道代が高くなるのではないか」という疑問が散見されます。給水制御の工学的構造から見ると、洗濯機の水道代は蛇口を開けっぱなしにしても原則として変わりません。全自動洗濯機やドラム式洗濯機の内部には電磁式の給水弁(ソレノイドバルブ)が搭載されており、通電時のみ弁を開いて注水し、通電が切れるとバネの力で密閉遮断されるため、物理的な漏水がない限りメーターは回りません。
水道代の増加がないからといって安全であるという結論には至りません。真の盲点は、全自動洗濯機の給水弁にかかり続ける静水圧と内部パーツの劣化にあります。
常時強い水圧がかかり続けると、給水弁内部のダイヤフラム(ゴム膜)やスプリングが徐々に疲労します。さらに、ドラム式洗濯機などの急速給水停止によって生じる「ウォーターハンマー現象(配管内で水流が急激にせき止められ、衝撃波と振動が発生する現象)」が繰り返されると、内部バルブに微細な歪みが生じます。その結果、ある日突然、給水弁が完全に閉じなくなり、洗濯機を使っていないのに洗濯槽内に水が溜まり続ける、あるいは本体内部から浸水が始まるといった致命的な故障を引き起こします。