古事記と日本書紀の決定的な違いとは?教科書が隠した政争の真相を暴く

古事記と日本書紀の決定的な違いとは?教科書が隠した政争の真相を暴く

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両者を読み比べたとき、最も顕著に表れるのが「言葉」の選定だ。『古事記』は漢字の音と訓を複雑に組み合わせた「変体漢文」で書かれている。日本語の響きやリズム、当時の話し言葉の躍動感をなんとか漢字だけで表現しようと苦心した跡が刻まれている。歌謡(和歌)が多く含まれ、朗読されることを前提とした音韻的な美しさが特徴だ。

一方の『日本書紀』は、厳格なルールに基づいた正統な「純漢文」で綴られている。中国の修辞法を完璧に模倣し、漢文としての格調高さを最優先した。その結果、日本語独特のニュアンスはそぎ落とされたものの、当時の東アジア共通語である漢文として、どの国の使節が読んでも理解できる完璧な外交文書に仕上がっている。この言語選択の差こそ、当時の外交戦略そのものであった。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。