いま親たちを苦しめているのは、統計にカウントされない「隠れ待機児童」の存在だ。希望する認可保育園をすべて落ち、自宅から遥かに離れた施設や不本意な条件の場所に子どもを預けざるを得なかったケースは、行政の計算上「待機児童」には含まれない。
都内で働く30代の母親は吐露する。「第1希望から第5希望まで全滅。結局、往復で1時間以上かかる遠方の園に決めた。毎日が戦いで体力的にも限界に近い。これで『待機児童ゼロ』と言われても、怒りを通り越して虚しさしかない」。数値の改善と、生活者としての実感との間には、果てしない溝が広がったままだ。