インターネット上には「このツボを押せばどんなめまいも完治する」といった極端な言説が散見されますが、これは医学的に極めて危険な誤解です。ツボ刺激はあくまで自律神経機能の補正や筋肉疲労の緩和、血流改善を補助する「セルフコンディショニング」の一環であり、器質的な疾患そのものを外科的・薬理学的に根治させるものではありません。
特に注意しなければならないのは、中枢性(脳の異常)に起因するめまいの兆候です。小脳や脳幹の梗塞・出血によるめまいは、一刻を争う救急疾患です。ツボ刺激で様子を見ている間に治療のゴールデンタイムを逃してしまう事態は絶対に避けなければなりません。
以下のレッドフラッグ(危険信号)が1つでも該当する場合は、ツボ押しを即座に中断し、速やかに救命救急または脳神経外科を受診してください。
- 突然の激しい頭痛(バットで殴られたような痛み)を伴う
- ろれつが回らない、言葉が出てこない、他人の言葉が理解できない
- 片側の手足に力が入らない、あるいは強いしびれ・麻痺がある
- 物が二重に見える、視野の半分が欠ける
- 立ち上がろうとすると一方向に倒れ込んでしまい、全く自立歩行ができない