吹き抜けの大空間を見上げると、奈良の伝統的な建築意匠をモチーフにした木組みのルーフが美しく広がる。店内には数万冊に及ぶ厳選書籍が整然と並び、その間をぬって現代アーティストの大型作品や古美術が絶妙なバランスで配置されている。
ここにあるのは、単なる棚卸しされた商品の列ではない。文脈(コンテクスト)で編まれた知の迷宮だ。歴史書のお隣に現代デザインの専門書が置かれ、そのすぐ脇に地元の窯元が焼いた最新の陶芸作品が飾られている。訪れた者は、目的の書籍を探す途中で、予想もしなかった知識やアートと衝突することになる。これこそが、リアルな空間だけが持つ贅沢な毒気だ。