長距離G1競走ほど騎手の腕が試される舞台はない。3200mという長丁場では、わずかなペース判断の狂いが命取りになるからだ。長年この舞台で異次元の強さを発揮してきた武豊騎手は、馬の呼吸を完璧に察知し、長距離特有の「溜め」を作る天才だ。淀の坂の下りで馬に無理をさせず、最高のタイミングでスパートをかける手腕はまさに芸術と言える。
一方で、近年の競馬界を牽引するクリストフ・ルメール騎手の勝負強さも際立つ。無駄のないコース取りと冷静沈着な立ち回りで、どんな展開であっても馬のポテンシャルを100%引き出す。武豊とルメール、二人のトップジョッキーがどうレースを組み立てるのか。展開を読む上での最重要ファクターだ。