このムーブメントは家庭内にとどまらず、日本の食品産業の巨人たちをも動かしている。
加工用および生鮮トマト市場をリードするカゴメ株式会社は、野菜摂取量の底上げを目指し、自社メディアや店頭プロモーションで塩昆布との食べ合わせを積極的に提案。対する塩昆布市場の二大巨頭、フジッコ株式会社と株式会社くらこんも、パッケージ裏面や特設サイトで生野菜とのコラボレーションレシピを次々と打ち出している。
乾物離れが叫ばれる若い世代にとって、塩昆布はもはや「ご飯のお供」だけではない。西洋野菜と融合し、手軽に出汁の効いたおかずを成立させる「万能シーズニング」として再定義されたのだ。伝統的な和食の知恵が、形を変えて現代の食生活にしなやかに息づいている。