「抜歯から1週間以上経つのに腫れが全然引かない」「むしろ痛みが日に日に増している」という場合、単なる術後反応ではなく、続発性の合併症を引き起こしている可能性を疑わなければなりません。
1. 局所感染(蜂窩織炎・膿瘍形成)
抜歯後の創部に口腔内細菌が侵入・増殖し、化膿性炎症を起こしている状態です。患部が熱を持って赤く腫れ上がり、拍動性の激痛や口が指1本分も開かない(開口障害)、37.5℃以上の発熱、嚥下痛(飲み込むときの痛み)を伴う場合は、緊急処置(抗生剤の点滴投与や膿の排出)が必要となります。
2. ドライソケット(抜歯窩治癒不全)
通常、抜歯後の穴には血液が溜まって「血餅(けっぺい)」というゼリー状のかさぶたが形成され、骨を保護しながら治癒が進みます。しかし、過度なうがいや舌で触る行為によって血餅が脱落・融解すると、骨面が直接口腔内に露出するドライソケットに陥ります。
ドライソケットの特徴は、術後3〜5日目頃から訪れる「夜も眠れないほどの激痛」と「痛み止めが効かない状態」です。また、抜歯した穴の内部が白っぽく見えたり、腐敗臭のような強烈な口臭を放つ点で見分けることができます。
3. 血腫(皮下出血)の吸収遅延
術中の止血が不十分だったり術後に血圧が上昇したりすると、組織内に血液の塊(血腫)が溜まり、腫れが硬いしこりのようになって長引くことがあります。